認定対象事業者(民間教育保育等事業者)向け
認定は「任意」。
しかし、受けなければ性犯罪歴は確認できません。
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号)
学習塾、スポーツクラブ、認可外保育施設、放課後児童クラブなどの民間教育保育等事業者は、 認定を受けることで初めて、従事者の特定性犯罪歴を国に照会できるようになります。 認定を受けるかどうかは任意ですが、認定を受けた事業者は、義務対象事業者と実質的に同等の措置を講じる立場になります。
認定申請の受付開始まで
計算中…
令和8年(2026年)12月25日 施行・申請受付開始
認定は任意。ただし「任意だから何もしなくてよい」ではありません。
認定を受けなければ犯罪事実確認(性犯罪歴の照会)はできません。 一方で、児童等への安全確保の取組そのものは、認定の有無にかかわらず事業者に期待されています。 認定を受けるか否かの判断は、経営判断として早期に整理しておくべき論点です。
1. 認定対象事業者とは(対象となる18の事業)
認定対象事業者(民間教育保育等事業者)とは、法第2条第5項に掲げる事業を行う者です。 「公立か民間か」ではなく、「法令に事業の範囲が定められているか」で義務対象と認定対象が分かれます。
義務対象と認定対象の分かれ方
学校設置者等
- 法令に基づく認可等を受けて教育・保育等を提供
- 学校(国公私立を問わない)、認可保育所、認定こども園、児童館など
- 犯罪事実確認は法律上の義務
- 手続・手数料は不要(届出も認定申請も不要)
- 施行日から直ちに義務が発生
民間教育保育等事業者
- 法令に事業の範囲が定められていない事業、届出により行える事業
- 学習塾、スポーツクラブ、認可外保育施設、放課後児童クラブなど
- 認定を受けるかどうかは任意
- 認定申請には事業ごとに手数料が必要
- 認定を受けた後に義務が発生
私立学校法人が運営する学校は義務対象、公設公営の放課後児童クラブは認定対象になります。設置者が公か民かでは決まりません。
法第2条第5項に掲げる民間教育保育等事業
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| 号 | 事業 | 具体例・補足 |
|---|---|---|
| 1号 | 専修学校(一般課程)・各種学校における学校教育に類する教育を行う事業 | 児童等を専ら対象とするもの |
| 2号 | 学校以外の教育施設で高等学校の課程に類する教育を行う事業(内閣府令で定めるもの) | 海技教育機構海技士教育科(本科)、普通職業訓練(18歳未満を専ら対象)、陸上自衛隊高等工科学校 |
| 3号 | 民間教育事業(技芸・知識の教授を行う事業。4要件をすべて満たすもの) | 学習塾、スポーツクラブ、音楽・芸術教室、そろばん教室など。4要件は下記参照 |
| 4号 | 児童発達支援を行う事業(指定障害児通所支援事業を除く) | 基準該当・自主事業として実施するもの |
| 5号 | 放課後等デイサービスを行う事業(指定障害児通所支援事業を除く) | 同上 |
| 6号 | 居宅訪問型児童発達支援を行う事業(指定障害児通所支援事業を除く) | 同上 |
| 7号 | 保育所等訪問支援を行う事業(指定障害児通所支援事業を除く) | 同上 |
| 8号 | 児童自立生活援助事業 | 児童福祉法第6条の3第1項 |
| 9号 | 放課後児童健全育成事業およびこれに類する事業(小学校・公民館・児童厚生施設・公の施設等で行われるもの) | 放課後児童クラブ。公設公営でも認定対象 |
| 10号 | 子育て短期支援事業 | 児童福祉法第6条の3第3項 |
| 11号 | 一時預かり事業 | 児童福祉法第6条の3第7項 |
| 12号 | 小規模住居型児童養育事業 | ファミリーホーム |
| 13号 | 病児保育事業 | 児童福祉法第6条の3第13項 |
| 14号 | 意見表明等支援事業 | 児童福祉法第6条の3第17項 |
| 15号 | 妊産婦等生活援助事業 | 児童福祉法第6条の3第18項 |
| 16号 | 児童育成支援拠点事業 | 児童福祉法第6条の3第20項 |
| 17号 | 認可外保育事業 | 児童福祉法第59条の2第1項に規定する施設で行う保育等 |
| 18号 | 指定障害福祉サービス事業(障害児に対する居宅介護・同行援護・行動援護・短期入所・重度障害者等包括支援に限る) | 障害者総合支援法第29条第1項 |
出典:こども性暴力防止法 施行ガイドライン Ⅲ.対象事業・対象業務(法第2条第5項、令第1条、規則第4条・第5条)
民間教育事業(3号)の4要件 ── すべて満たす場合のみ対象
民間教育事業に該当するための4要件(すべてAND条件)
出典:法第2条第5項第3号イ〜ニ、令第1条(政令で定める人数=3人)
要件を満たさなくなったまま放置すると、認定取消しの対象になります
認定を受けた民間教育事業について、たとえば技芸・知識の教授を行う者が2名である状態が継続したにもかかわらず 廃止の届出等を行わなかった場合、「民間教育保育等事業者に該当しなくなったとき」として認定等を取り消され得ます(法第32条第2項第1号)。 人員構成の変動は、認定の維持要件に直結します。
自社の事業がどの号に当たるか判断がつかない。 複数事業を運営していて、義務・認定・対象外が入り混じっている場合の整理もお任せください。
対象区分の整理を相談する2. 認定を受ける意義と、受けない場合の帰結
認定申請は任意です(Q&A 4-8)。ただし、認定の有無によって「できること」が明確に変わります。
認定を受けた場合/受けない場合の比較
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| 項目 | 認定を受けた場合 | 認定を受けない場合 |
|---|---|---|
| 従事者の特定性犯罪歴の確認 | できる(国に犯罪事実確認書の交付申請が可能) | できない(制度上、照会する手段がない) |
| こまもろうマークの表示 | 認定事業者マーク(水色)を表示できる | 表示できない |
| こども家庭庁ウェブサイトでの公表 | 事業者名・事業所情報等が一覧に掲載される | 掲載されない |
| 保護者・求職者への訴求 | 取組の実施を客観的に示せる | 自社の説明のみに依存 |
| 犯罪事実確認の実施義務 | 認定後は義務となる(怠れば取消し) | 義務は生じない |
| 対処規程・情報管理規程の整備 | 認定基準として必須 | 法律上は必須でない |
| 定期報告・立入検査 | 年1回の定期報告、報告徴収・立入検査の対象 | 対象外 |
| 手数料 | 1事業あたり3万円(電子申請) | 不要 |
出典:Q&A 4-1、4-6、4-8、施行ガイドライン Ⅳ.認定等
- 「性犯罪歴を確認できる」ことの実務的な重さ 採用時に本人の申告や履歴書だけでは把握しきれない情報を、公的な照会によって確認できる点が、 認定制度の最大の実益です。認定を受けなければ、この照会手段は制度上存在しません。
- 採用市場・保護者への説明力 公表とマーク表示により、こども・保護者・求職者に対して取組を客観的に示せます。 とくに保護者が事業者を選ぶ場面では、認定の有無が比較材料になり得ます。
- 認定を受ければ「義務側」に立つという覚悟が必要 認定後は、犯罪事実確認の実施、対処規程の遵守、情報管理、研修、年1回の定期報告が求められます。 これらを怠れば認定の取消しと公表につながります。認定は「取ればゴール」ではなく、継続的な運用管理の開始点です。
- 認定を受けない場合でも、安全確保の取組は無意味にならない 早期把握、相談窓口の設置、研修、報告・対応ルールの策定といった取組は、認定の有無を問わず実施できます。 認定を見送る場合でも、これらを自主的に整備しておくことは、事故防止と説明責任の両面で有効です。
3. 認定申請のスケジュールと全体フロー
認定申請は令和8年(2026年)12月25日から可能になります。審査には1〜2か月程度を要します(Q&A 4-2)。
12/25
認定申請の受付開始
(施行日と同日)
1〜2か月
申請から認定までの
標準的な審査期間
3万円
1事業あたりの手数料
(電子申請の場合)
1年
認定時現職者の
犯罪事実確認の期限
なし
認定の更新
(更新手続は不要)
認定取得までの流れ
-
STEP 1
施行前:社内体制と規程の準備
対象事業・対象業務の範囲確定、犯罪事実確認の責任者選任、児童対象性暴力等対処規程の作成、 情報管理規程の作成、相談窓口の設置、報告・対応ルールの策定、就業規則の見直し。 研修は認定申請前に受講させておく必要があります。
-
STEP 2
施行前:GビズIDの取得
こまもろうシステムの利用にはGビズID(プライム)が必要です。取得には日数を要するため、早めに着手してください。
-
STEP 3
施行後:こまもろうシステムのアカウント登録
こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)のアカウント登録は施行後に実施します。 事業者情報を入力した後、事業情報・事業所情報等を入力します。
-
STEP 4
令和8年12月25日以降:認定申請・手数料の納付
こまもろうシステムから申請します。申請時に手数料の支払いが必要です(1事業あたり/電子申請3万円)。 複数の事業を行っている場合は事業ごとに申請・納付が必要です。
-
STEP 5
審査(1〜2か月程度)
記載事項や書類に不備がある場合、訂正までの期間はこの1〜2か月に含まれません。 こども家庭庁から確認・訂正依頼があった場合は速やかに対応してください。
-
STEP 6
認定・公表・マーク使用開始
認定後、こども家庭庁ウェブサイトで公表され、認定事業者マーク(水色のこまもろうマーク)をダウンロードして使用できます。 同時に犯罪事実確認の手続に進めるようになります。
-
STEP 7
認定日から1年以内:認定時現職者の犯罪事実確認
認定日時点で在籍していた従事者(認定時現職者)については、認定日から1年以内に犯罪事実確認を行います。 全員完了したら、こまもろうシステムを通じて完了の届出を行います。
-
STEP 8
認定日から1年ごと:定期報告
認定等を受けた日から1年が経過する日の前日までに、その後は毎年同日に応当する日までに報告します。
出典:認定対象事業者版チェックリスト、Q&A 4-2・4-3・4-4、施行ガイドライン Ⅳ.認定等、規則(定期報告の期限日)
新規採用者と認定時現職者で、期限が異なります
犯罪事実確認の期限(認定事業者の場合)
出典:法第26条第1項・第3項、Q&A 6-3、施行ガイドライン
4. 認定基準6項目(ア〜カ)
認定等の基準は、「学校設置者等と同等の措置を実施する体制が確保されているか」を確認するためのものです。 こども家庭庁は、①民間教育保育等事業および教育保育等従事者の業務に該当すること、②次のア〜カの基準に適合すること、 のいずれも満たすと認めるときに認定を行います(法第20条第1項)。
ア 犯罪事実確認の実施体制
犯罪事実確認を適切に実施するための責任者が選任されていること(法第20条第1項第1号、規則第19条第1項)
イ 早期把握の実施
日常観察/定期的な面談・アンケート/適切な報告・対応ルールの策定・周知(同項第2号、規則第8条)
ウ 相談の実施
事業者内の相談員選任または相談窓口の設置・周知/外部相談窓口の周知(同項第3号、規則第9条)
エ 対処規程の作成
児童対象性暴力等対処規程を作成し、内容が内閣府令の基準に適合すること(同項第4号、規則第19条第2項)
オ 研修の実施
8項目(ア〜ク)を含み、座学と演習を組み合わせた研修を対象業務従事者に受講させていること(同項第5号、規則第19条第3項)
カ 情報管理措置の実施
管理責任者の設置/情報管理規程の策定・遵守/従事者が2人以上であること(同項第6号・第27条第1項、規則第12条第1項)
ア 犯罪事実確認の責任者に求められる措置
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| 措置の内容 | 留意点 |
|---|---|
| 犯罪事実確認を計画的かつ適切に実施するための業務を管理すること | 年間スケジュールの作成等の事務計画の作成、責任者・担当者等の決定による執行体制の構築。 予定どおり確認できない場合を想定した事前の備え(戸籍提出への協力が得られない場合を想定した従事者への事前伝達、就業規則等の整備)も含みます。 |
| 犯罪事実確認の必要性、対象、手続等について、対象業務従事者に事前に通知すること | 次の事項を事前に書面で通知します。①犯罪事実確認の必要性、②当該従事者が確認の対象であること、 ③犯罪事実確認書の交付申請のスケジュールおよび流れ、④従事者が行うべき事項(申請アカウントの作成、戸籍提出等)およびそれが行われなかった場合の対応。 |
| 交付を受けた犯罪事実確認書を適切に確認すること | 確認の遅れ、誤り、漏れ等がないように確認すること。 |
| いとま特例の適用に当たっての対応 | 特例の対象従事者に対して必要な措置等について書面で説明すること。 「やむを得ない事情」に該当することを証する書類等を保存すること(報告徴収・立入検査の際に提示が求められ得るため適切に保存・管理)。 |
出典:施行ガイドライン 図表11「犯罪事実確認の適切な実施を確保するために責任者が行うことが求められる措置」
オ 研修に含めるべき8項目(ア〜ク)
研修は「認定申請前」に受講させる必要があります
認定基準として認定時現職者に研修を受講させていることが要件となるため、 認定申請時に、研修の受講を証する書類(研修実施計画書、事業者内の研修のお知らせ等)を提出する必要があります。 研修の準備は、認定申請のスケジュールを左右する要素です。早期に着手してください。
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ア | 従事者による児童対象性暴力等の防止に関する基礎的事項(児童対象性暴力等が生じる要因、こどもの権利に関する事項を含む) |
| イ | 児童対象性暴力等および児童対象性暴力等につながり得る不適切な行為の範囲 |
| ウ | 児童対象性暴力等および不適切な行為の疑いの早期発見 |
| エ | 相談、報告等を踏まえた対応 |
| オ | 被害児童等の保護・支援 |
| カ | 犯罪事実確認において従事者に求められる対応 |
| キ | 防止措置に係る基礎的事項 |
| ク | 厳格な情報管理の必要性 |
出典:規則第19条第3項、施行ガイドライン Ⅳ.2.(2)オ 研修の実施。座学と演習を組み合わせて行うものとされています。
「従事者が2人以上」は認定の要件です
情報管理措置の基準として、情報管理の責任者を含めて認定等事業に従事する教育保育等従事者が2人以上であることが求められます(規則第12条第1項)。 個人で運営し従事者が1人のみの事業は、この基準を満たしません。
研修の設計・実施をお任せいただけます。 8項目を網羅し、座学と演習を組み合わせた研修プログラムをご提供します。講師登壇も承ります。
研修の相談をする5. 児童対象性暴力等対処規程の必須記載6事項
認定基準エとして作成が求められる「児童対象性暴力等対処規程」には、次の(ア)から(カ)までを必須記載事項としつつ、 各事業者の実態に応じて必要な事項を盛り込みます。ひな型は施行ガイドライン資料編 別紙1に掲載されています。
対処規程の必須記載事項(ア〜カ)
(ア)定義
「児童対象性暴力等」および「不適切な行為」の定義
(イ)実施体制の整備等
①範囲の明確化/報告ルールの設定/対応ルールの設定/これらの従事者・児童等・保護者への周知 ②疑いを把握した場合に対応を行う者
(ウ)防止措置
特定性犯罪事実該当者への対応、被害申出時の接触回避、調査結果を踏まえた対応、不適切な行為への段階的対応
(エ)調査の実施
疑いがあると認める場合の、事実の有無および内容を確認するための調査
(オ)被害児童等の保護・支援
接触の回避その他の保護措置、支援機関等の情報提供、相談への誠実な対応
(カ)共同認定の場合の役割分担
民間教育保育等事業者と事業運営者間での役割分担に関する記載
出典:施行ガイドライン Ⅳ.2.(2)エ 児童対象性暴力等対処規程の作成(規則第19条第2項)
(ウ)防止措置に定めるべき4つの場面
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| 場面 | とるべき措置 |
|---|---|
| (一)従事者が特定性犯罪事実該当者である場合 | 原則として、当該従事者を対象業務に従事させない |
| (二)在籍する児童等またはその保護者から、特定の従事者による児童対象性暴力等の被害の申出があり、おそれがあると認める場合 | 被害が疑われる児童等と加害が疑われる従事者の接触の回避を行う |
| (三)調査等の結果、児童対象性暴力等が行われたと合理的に判断され、おそれがあると認める場合 | 原則として、当該従事者を対象業務に従事させない |
| (四)調査等の結果、不適切な行為が行われたと合理的に判断され、おそれがあると認める場合 |
イ 重大な不適切な行為である場合は(三)に準じた対応 ロ 初回かつ比較的軽微な場合は、繰り返さないよう指導・研修受講命令を行い、注意深く経過観察 ハ ロの指導等を行ったにもかかわらず同様の行為を繰り返した場合は(三)に準じた対応 |
出典:施行ガイドライン Ⅳ.2.(2)エ(ウ)
【最重要】対処規程を作っても、就業規則がなければ懲戒処分はできません
施行ガイドラインは次のとおり明示しています。防止措置として雇用する対象業務従事者に対する懲戒処分を行う場合が想定されますが、 児童対象性暴力等対処規程に防止措置を行う旨を規定していることをもって懲戒処分を行うことができるものではないため、 あらかじめ就業規則に懲戒種別および懲戒事由を定め、周知しておくことが必要です。
同様に、防止措置として配置転換を行う場合も、あらかじめ雇用契約上の根拠(就業規則等の規定)を定める必要があります。 つまり、認定申請のために対処規程を整えるだけでは足りず、就業規則の改定が実務上セットで必要になります。 対象業務従事者が派遣労働者等または個人業務受託者である場合には、さらに労働法制上の留意点があります。
(エ)調査の実施における3つの留意点
- (一)児童等の人権および特性に配慮する 児童等の名誉および尊厳を害しないよう注意して行うこと。繰り返しの聴取などによる二次的被害を避ける配慮が必要です。
- (二)疑いがある者の人権および特性にも配慮し、公正かつ中立に行う 事実確認が未了の段階で、加害の事実を前提とした懲戒等を行うことはあってはなりません。 労務管理上も、事実認定の手続と処分の手続を明確に分けて設計する必要があります。
- (三)事案の内容その他の事情に応じ、関係機関等と適切に連携する 警察、児童相談所、こども家庭センター等との連携を、あらかじめ規程および運用フローに落とし込んでおくことが重要です。
(オ)被害児童等の保護・支援の3つの方法
被害児童等が日常を取り戻し、落ち着いて教育、保育等を受けることができるようにすることを目的として、次の方法で行います。
-
一
接触の回避その他の保護措置
被害児童等と、児童対象性暴力等を行ったと認める者との接触を回避します。
-
二
支援機関等の情報提供
事案の内容その他の事情に応じた支援機関等の情報を、被害児童等に提供します。
-
三
相談への誠実な対応
被害児童等およびその保護者からの相談に、誠実に対応します。
対処規程と就業規則を、矛盾なく同時に整備する必要があります。 社会保険労務士として、規程間の整合性を担保した形でご支援します。
規程整備を相談する6. 申請手続・添付書類・手数料
申請書の記載事項(法第19条第3項)
- 認定を受けようとする民間教育保育等事業者の氏名または名称、住所または所在地、法人にあってはその代表者の氏名
- その行う民間教育保育等事業の概要、および法第2条第5項各号のいずれの事業に該当するかの別
- 当該事業を行う事業所の名称および所在地
- 当該事業に従事する者のうち、その行う業務が教育保育等従事者の業務に該当すると思料するものの業務の概要
- その他内閣府令で定める事項(従事者の人数、法人共通認証基盤で用いる電子メールアドレス、フランチャイズチェーン方式により別事業者が同一事業を行っている場合はその旨)
添付書類(法第19条第4項、規則第18条第4項)
- 民間教育保育等事業および業務の詳細を説明する資料
- 認定基準に適合していることを証する資料(研修の受講を証する書類を含む)
- 児童対象性暴力等対処規程
- 犯罪事実確認を適切に実施する旨を誓約する書面
- 法人の場合は定款および登記事項証明書/人格のない社団・財団は定款に準ずる書類等/個人は住民票の写し
- 共同認定の場合は、民間教育保育等事業者および事業運営者のそれぞれの役割を説明した資料
申請書の提出は原則として電子情報処理組織(こまもろうシステム)を使用して行います。 国の公的基礎情報データベースで確認できるときは、一部書類の添付を省略できます(規則第18条第2項)。
手数料
手数料の額と、納付が不要となる場合
3万円
電子申請の場合
(1事業あたり)
3万1,500円
電子申請によらない場合
(1事業あたり)
0円
国・地方公共団体が
単独で申請する場合
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| ケース | 手数料 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 国・地方公共団体が単独で認定申請を行う場合 | 不要 | 法第40条括弧書き |
| 公設公営(国・地方公共団体を民間教育保育等事業者とする場合) | 不要 | Q&A 4-7 |
| 公設民営(国・地方公共団体を民間教育保育等事業者とし、指定管理・委託を受けた事業運営者とともに共同認定を申請する場合) | 不要 | 事業開始前に準備行為を行い実質的に事業開始が決定している場合で、その後に共同認定の申請を行う場合も不要 |
| 国・地方公共団体から指定管理・委託を受けているが、指定管理先・委託先が単独で申請する場合 | 必要 | Q&A 4-7 |
| 民設民営の場合 | 必要 | Q&A 4-7 |
| 認定申請以外の手続(犯罪事実確認など) | 不要 | Q&A 4-6 |
| 認定の更新 | 更新制度そのものがない | Q&A 4-6 |
出典:法第40条、令第7条、Q&A 4-6・4-7、施行ガイドライン Ⅳ.3.(5)手数料
複数事業を行っている場合は、事業ごとに申請・納付が必要です
たとえば「放課後児童健全育成事業」と「スポーツクラブ(民間教育事業)」の2つを行っている場合は、 別々に認定申請を行わなければならず、手数料も事業ごとに必要です(Q&A 4-5)。
一方、同一の事業を複数の事業所で実施している場合(○○塾新宿校、○○塾渋谷校など)は、 1つの事業として申請します。「事業所ごと」ではなく「事業ごと」が単位である点に注意してください。
認定を受けられない場合(欠格事由・法第20条第2項)
次のいずれかに該当するときは、認定等を受けることができません。
- 認定等を取り消された者であって、その取消しの日から2年を経過しない者
- 法の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 法人であって、その役員のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの
法人の場合は、認定の取消しに係る聴聞通知があった日前60日以内に当該法人の役員であった者で、 その取消しの日から2年を経過しない役員がある場合も、認定等を受けることができません。
7. 共同認定と「事業運営者」
指定管理や委託を受けて事業を運営している場合は、共同認定という枠組みになります。 委託・指定管理を行っている(受けている)事業者は、施行前に役割分担の検討を済ませておく必要があります。
認定と共同認定の関係図
出典:法第21条、Q&A 4-9・4-10、施行ガイドライン Ⅳ.認定等
「事業運営者」の定義
「事業運営者」とは、民間教育保育等事業者から指定管理または委託を受けて、その事業を行う事業所を管理する者です。 事業運営者は当該事業の運営全体を担うものである必要があるため、施設の維持管理のみを担う場合などは、事業運営者に該当しません。
運営全体を委ねている
- 市町村が、放課後児童健全育成事業の運営全体を民間事業者に委託している場合
- 民間事業者が、認可外保育施設の運営全体を別の民間事業者に委託している場合
単独で申請・認定となる
- 市町村が、放課後児童健全育成事業で行う事業のうち一部の体験活動のみを民間事業者に委託している場合(市町村が単独で申請)
- 市町村が委託や指定管理ではなく単に補助を出している場合(民間事業者が単独で申請)
- 民間事業者が市町村から土地・建物を借りて、市町村とは独立して各種学校を運営している場合(民間事業者が単独で申請)
共同認定は、相手方のリスクを取り込む選択です
共同認定が取り消された場合、その欠格要件は民間教育保育等事業者および事業運営者の両者に及びます。 たとえば事業運営者の行為により共同認定が取り消された場合、指定管理等を行っていた地方公共団体等についても 法に基づく認定等の欠格期間が生じ、2年間は他の事業に関して認定等を受けることができません。
したがって、共同認定にあたっては、対処規程における役割分担の明確化はもちろん、 相手方の運営体制・研修実施状況・情報管理体制を確認する仕組みを、委託契約や協定に組み込んでおくことが実務上不可欠です。
なお、共同認定の場合、犯罪事実確認書の交付申請は民間教育保育等事業者および事業運営者が共同して行い、 申請書に記載された者に犯罪事実確認書が送付されます。交付を受けた者は、犯罪事実確認および対処規程に定める防止措置の実施に必要な限度において、 他方の者に犯罪事実確認記録を提供することができます(法第26条第7項、第33条第2項、第35条第2項)。
委託契約・協定に、どこまで書き込むべきか。 共同認定の役割分担と、委託先の体制確認の仕組みづくりをご支援します。
共同認定について相談する8. 認定後に発生する義務(届出・報告)
認定は「取得して終わり」ではありません。認定後は継続的な届出・報告の義務が発生します。
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| 手続 | 期限 | 内容 |
|---|---|---|
| 認定時現職者の犯罪事実確認 | 認定日から1年以内 | 認定日に対象業務に従事している者、および認定日の前日までに内定・内示等を受けて従事することが決定していた者が対象 |
| 犯罪事実確認完了の届出 | 全員完了後、速やかに | こまもろうシステムを通じて、①犯罪事実確認完了日、②完了した認定時現職者の人数、③完了した認定時現職者の一覧(氏名、犯罪事実確認書の文書番号)を届け出る。公表内容に反映される |
| 新規に従事させようとする者の犯罪事実確認 | 業務に従事させるまで | 猶予期間はない。確認を完了させてから従事させる |
| 変更届 | 変更する日の2週間前まで | ①公表事項(事業者名・所在地・代表者名、事業概要・事業種別、事業所の名称・所在地、従事者の業務の概要、認定年月日、フランチャイズの別)の変更、②対処規程または情報管理規程の変更(軽微な変更を除く) |
| 廃止届 | 廃止年月日の2週間前まで | ①事業そのものを廃止する場合、②事業は継続するが認定を受けることを希望しない場合(辞退)、③民間教育事業が法第2条第5項第3号の要件を満たさなくなる場合 |
| 定期報告 | 認定日から1年が経過する日の前日まで/以後毎年同日に応当する日まで | 応当する日がない場合はその前日。報告を怠ると認定取消しの事由となり得る |
| 情報の漏えい等が生じた場合の報告 | 内閣府令で定める事態が生じた場合 | 犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等について、規定に従って報告する。違反は認定取消しの事由となり得る |
出典:法第24条〜第31条、規則第23条・第30条、Q&A 4-4・4-13、施行ガイドライン Ⅳ.認定等
変更届が「不要」となる軽微な変更
ア 実質的な変更を伴わないもの
対処規程に定めることとされている内容および情報管理規程の内容の実質的な変更を伴わないもの(例:部署名・役職名の形式的な変更)
イ 必須記載事項以外の措置内容の変更
対処規程に定めることとされていない措置(早期把握、相談、研修等)を講じている場合に、当該措置を変更するとき
ウ 情報管理措置の水準を維持する変更
水準を維持したうえで、具体的な手法の変更にとどまるもの
エ 情報管理措置の水準を向上させる変更
水準を向上させる変更
出典:Q&A 4-13。判断に迷う場合は届出を行うか、事前に所轄に確認することが安全です。
廃止届は「事業をやめるとき」だけではありません
事業は継続しつつ認定だけを辞退する場合、また民間教育事業の4要件を満たさなくなる場合(例:技芸・知識の教授を行う者が1人になる場合)も、 廃止の届出が必要です。この場合、こども家庭庁の公表には「※事業そのものが廃止となるわけではない。」という旨が追記されます。
なお、取消事由に該当している事業者が、取消しを免れるために不適切に廃止の届出を行おうとしたことが判明した場合は、 廃止ではなく認定等の取消しが行われ、欠格事由に該当することとなります。
9. こまもろうマーク(認定事業者マーク)
認定事業者マーク
- 使用できるのは認定対象事業者が認定(または共同認定)を受けた後
- 認定後にダウンロードできる
- 施行前は使用できない
法定事業者マーク
- 使用できるのは学校設置者等(義務対象事業者)
- 令和8年12月25日(施行日)から使用可能
- 認定手続は不要
出典:法第23条第1項、令和7年こども家庭庁告示第11号(長官が定める表示)、「こども性暴力防止法の事業者マーク(こまもろうマーク)の策定について」(令和7年12月25日 こども家庭庁支援局長通知、令和8年1月21日更新)。 マークは共にフクロウのキャラクター「こまもろう」をモチーフとし、本体は暖かいオレンジを基調に、背景に青とピンクを用いるデザインとされています。実際の図像・使用ルールは必ず上記告示及び通知の原文をご確認ください。
マークを付けられるもの/付けられないもの
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| 区分 | 対象 | 理由・留意点 |
|---|---|---|
| 付けられる | 制服、パンフレット、募集案内、メディア広告、ウェブサイト、名刺、受付、看板、求人広告 | 事業者の管理が及ぶもの |
| 付けられない | 宣伝・広告用のペン、クリアファイル等 | 配布後に第三者により再利用・流通等がなされ、事業者による回収等が困難となるもの |
| 名刺の扱い | 対象事業に携わる従事者(幹部、社員等)のみ | 従事者がその事業を行う部署から異動・退職する場合は、事業者の責任の下、廃棄・回収等(名刺管理アプリにおいては更新)を行う必要がある |
| 認定等の取消し等があった場合 | 速やかに撤去・回収 | 認定事業者マークを付した物の撤去、回収を速やかに行うことが必要 |
出典:Q&A 4-11・4-12、施行ガイドライン Ⅳ.5.認定事業者等及び学校設置者等の表示
保護者への説明にあたっての留意点
施行ガイドラインは、認定事業者マークが付されている事業者であっても、 認定時現職者の犯罪事実確認の期限は認定等から1年間であることを踏まえ、 こども家庭庁のウェブサイトにおいて認定時現職者の犯罪事実確認を完了しているかどうかを確認することが重要であるとしています。
つまり「マークがある=全従事者の確認済み」ではありません。 事業者側としては、確認完了の届出を早期に行い公表に反映させることが、保護者への説明力につながります。
10. 認定の取消しと欠格事由
認定の取消しには、必ず取り消される場合(法第32条第1項)と、 取り消され得る場合(同条第2項)があります。いずれの場合も、取消しはこども家庭庁のウェブサイトで公表されます(同条第3項)。
必ず取り消されるケース(法第32条第1項)
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| 取消事由 | 具体例 |
|---|---|
| 偽りその他不正の手段により認定等を受けたとき | 認定申請の要件を満たすために、本来事業に携わっていない人物の名義貸しを受けていた |
| 認定等の欠格事由に該当することとなったとき | 異なる事業者で認定取消しを受けた事業の役員が、自らの認定事業者の役員に就任した |
| 必要な犯罪事実確認を行っていないとき | 一部の新規採用者について、犯罪事実確認を行わなかった |
| こども家庭庁による適合命令または是正命令に違反したとき | 従事者に対して研修を受講させていないことについて、こども家庭庁からの是正命令に従わず、期限までに改善が図られなかった |
出典:施行ガイドライン 図表23
取り消され得るケース(法第32条第2項)
直ちに取消しとなるか否かは、事案の重大性や悪質性、故意の有無、過失の程度、違反状態の継続期間、 過去にも同じ違反状態を繰り返しているか否か等を総合的に勘案して判断されます。 軽微な違反・過失に基づく違反等については、まずは行政指導等が行われます。
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| 取消事由(ア〜コ) | 具体例 |
|---|---|
| (ア)民間教育保育等事業者または事業運営者に該当しなくなったとき | 民間教育事業において、従事者が2名である状態が継続したにもかかわらず、廃止の届出等を行わなかった |
| (イ)認定等事業を行っていないと認めるとき | — |
| (ウ)認定基準に適合しなくなったとき | 相談窓口の担当者が退職したにもかかわらず、次の担当者を任命せず、不在の間が継続した |
| (エ)変更・廃止の届出に係る規定に違反したとき | — |
| (オ)児童対象性暴力等対処規程を遵守しなかったとき | 児童対象性暴力等のおそれがあったにもかかわらず、対処規程に沿わず、調査等を行わなかった |
| (カ)帳簿の備付け、定期報告の提出に係る規定に違反したとき | — |
| (キ)犯罪事実確認記録等を適正に管理しなかったとき | — |
| (ク)犯罪事実確認記録等の不適切な目的外利用または第三者提供を行ったとき | 法に定める例外(刑事手続・捜査への協力等)ではない形で、犯罪事実確認書を第三者に提供した |
| (ケ)犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告に係る規定に違反したとき | 犯罪事実確認書に記載された情報が漏えいしたにもかかわらず、適切な報告を行わなかった |
| (コ)こども家庭庁の報告徴収・立入検査に適切に対応しなかったとき | こども家庭庁の求めに対し、虚偽の報告や資料提出を行っていた |
出典:施行ガイドライン 図表24
取消しは「公表」を伴います
認定等の取消しをしたときは、こども家庭庁はその旨をウェブサイトで公表します(法第32条第3項)。 とくに犯罪事実確認義務違反を理由として取り消された場合は、 事業者の氏名・名称、住所・所在地、代表者の氏名(法人の場合)、違反のあった事業所の名称・所在地等が公表されます。
さらに、取消しの日から2年間は欠格事由に該当し、他の事業についても認定等を受けることができません。 共同認定の場合は、この欠格期間が相手方にも及びます。認定の維持管理は、経営リスク管理そのものです。
11. 施行までにやることチェックリスト
こども家庭庁公表の「認定対象事業者版チェックリスト」を基に整理しました。 認定申請は施行日(令和8年12月25日)から可能であり、以下は施行後速やかに認定申請を行う場合の想定です。 実際の対応時期は申請時期によって異なります。
犯罪事実確認・防止措置
- 制度についての従事者等への周知(犯罪事実確認の対象になる旨など)
- 対象従事者の範囲、不適切な行為の範囲の検討・確定
- 犯罪事実確認の実施体制整備(責任者の選任)
- 就業規則の見直し(不適切な行為の範囲、懲戒事由等)、採用募集要項等の見直し※詳細は別紙2参照
- 採用過程での性犯罪前科の事前確認※詳細は別紙2参照
安全確保措置
- 児童対象性暴力等対処規程の作成
- 従事者向け研修の計画策定・実施※認定申請前に受講させておく必要があります
- 事業者向け研修の受講
- 児童等・保護者向け周知・啓発
- 体制整備(相談窓口設置・周知等)
- 性暴力事案の疑い発生時の報告・対応ルール策定・周知
情報管理措置
- 情報管理規程の作成、規程に沿った情報管理体制の整備
- 情報管理担当者向け研修の実施
- 管理責任者の設置
- 認定等事業に従事する教育保育等従事者が2人以上であることの確認
システム登録
- GビズIDの取得(法人・運営者等で取得)※取得に日数を要するため早期着手を推奨
- こまもろうシステムのアカウント登録※施行後に実施
その他
- (委託・指定管理等を行っている場合)共同認定申請に向けた役割分担の検討
- 認定を受けるか否かの経営判断と、受ける場合の申請スケジュールの決定
- 事業ごとの申請単位の整理(複数事業がある場合)と手数料予算の確保
出典:こども家庭庁「こども性暴力防止法の施行までの対応(認定対象事業者版チェックリスト)」。 各種ひな型・参考資料、研修教材等については別紙1を、就業規則参考例・誓約書・内定通知書参考例・募集要項・求人票参考例については別紙2を参照してください。 いずれも一次資料リンク集からアクセスできます。
このチェックリストを、自社の実情に合わせた実行計画に落とし込みます。 期限付きのタスク表と担当割りまで整理してお渡しします。
実行計画づくりを相談する12. よくあるご質問
認定は必ず受けなければいけませんか。
認定申請は任意です。ただし、こども家庭庁は「こどもの安全を守るため、少しでも多くの認定対象事業者に認定を取得いただきたい」としています(Q&A 4-8)。 認定を受けなければ、従事者の特定性犯罪歴を確認する手段は制度上存在しません。
認定申請はいつから可能ですか。審査にはどれくらいかかりますか。
申請は令和8年(2026年)12月25日から可能です。認定までには審査などで1〜2か月程度かかります。 ただしこの期間には、記載事項や書類に不備があり訂正を行うまでの期間は含まれません(Q&A 4-2)。
複数の教室を運営していますが、教室ごとに申請が必要ですか。
いいえ。同一事業を複数の事業所で実施している場合(○○塾新宿校、○○塾渋谷校など)は、1つの事業として申請します。 一方、異なる事業を複数行っている場合は事業ごとに申請が必要で、手数料も事業ごとに必要です(Q&A 4-5)。 たとえば「放課後児童健全育成事業」と「スポーツクラブ(民間教育事業)」を行っている場合は、別々の申請になります。
認定に更新はありますか。更新料は必要ですか。
認定の更新はありません。また、認定申請以外の手続(犯罪事実確認など)に手数料はかかりません(Q&A 4-6)。 ただし、更新がないことは「その後の管理が不要」という意味ではありません。定期報告や各種届出は継続的に必要です。
オンライン指導のみの学習塾は認定対象になりますか。
民間教育事業(法第2条第5項第3号)に該当するには、ロ「児童等に対して対面による指導を行うものであること」という要件を満たす必要があります。 対面指導を行わずオンラインのみで完結する事業は、この要件を満たしません。 ただし、対面と併用している場合の判断や、他の号への該当可能性については個別の検討が必要です。
講師が2名しかいない教室は認定を受けられますか。
民間教育事業(3号)の要件ニは「技芸・知識の教授を行う者の人数が3人以上」です(令第1条)。 2名では民間教育事業に該当せず、認定対象になりません。
また、情報管理措置の基準として「情報管理の責任者を含めて認定等事業に従事する教育保育等従事者が2人以上であること」も求められます(規則第12条第1項)。 なお、認定を受けた後に従事者が2名になった状態が継続すると、廃止の届出を行わない限り認定取消しの対象になり得ます。
市から放課後児童クラブの運営を委託されています。どのように申請しますか。
運営全体を委託されている場合は、市町村が民間教育保育等事業者、受託した事業者が事業運営者となって、共同で認定を受ける(共同認定)ことになります(Q&A 4-9・4-10)。 この場合、手数料は納付の対象外です(Q&A 4-7)。
ただし、指定管理・委託を受けていても受託先が単独で申請する場合は手数料が必要です。 また、運営全体ではなく一部の活動のみの委託であれば、市町村が単独で申請することになります。 施行前に、委託元との役割分担の検討を必ず済ませてください。
研修はいつまでに実施すればよいですか。
認定事業者等の認定時現職者については、認定申請前に受講していただく必要があります。 認定基準として研修を受講させていることが要件となるため、認定申請時に受講を証する書類(研修実施計画書、事業者内の研修のお知らせ等)の提出が必要です。 研修は8項目を含み、座学と演習を組み合わせて行うものとされています。
対処規程に懲戒処分について書いておけば、懲戒処分ができますか。
できません。施行ガイドラインは、児童対象性暴力等対処規程に防止措置を行う旨を規定していることをもって懲戒処分を行うことができるものではないとし、 あらかじめ就業規則に懲戒種別および懲戒事由を定め、周知しておくことが必要としています。 配置転換を行う場合も、あらかじめ雇用契約上の根拠(就業規則等の規定)を定める必要があります。
認定申請のために対処規程を整えるだけでは、実際に防止措置を発動する場面で対応できません。就業規則の改定が実務上セットで必要です。
認定事業者マークがあれば、全従事者の性犯罪歴が確認済みということですか。
いいえ。認定時現職者の犯罪事実確認の期限は認定等から1年間であるため、認定直後の時点では未完了の従事者がいる可能性があります。 施行ガイドラインも、こども家庭庁ウェブサイトで認定時現職者の犯罪事実確認を完了しているかどうかを確認することが重要としています。 事業者としては、完了後速やかに届出を行い、公表に反映させることが望ましい対応です。
認定を受けた後、事業をやめる場合や認定だけをやめたい場合はどうしますか。
いずれの場合も廃止の届出が必要です。届出事由は、①事業そのものを廃止する場合、②事業は継続するが認定を受けることを希望しない場合、 ③民間教育事業について法第2条第5項第3号イ〜ニの要件を満たさなくなる場合の3つから選択します。 廃止年月日の2週間前までに、原則としてこまもろうシステムを介してオンラインで届け出ます。
なお、取消事由に該当している事業者が取消しを免れるために不適切に廃止の届出を行おうとしたことが判明した場合は、 廃止ではなく認定の取消しが行われ、欠格事由に該当することとなります。
認定を受けない場合、何もしなくてよいのですか。
法律上の義務は生じませんが、早期把握(日常観察・面談・アンケート)、相談窓口の設置、研修、報告・対応ルールの策定といった取組は、 認定の有無を問わず実施できます。事故の防止と、万一の際の説明責任の両面で有効です。
また、就業規則における服務規律・懲戒事由の整備は、認定の有無にかかわらず、労務管理上の基盤として意味があります。 「認定は見送るが、体制は整える」という選択も十分に合理的です。
認定を「取る/取らない」の判断から、伴走します
認定を受けるかどうかは経営判断です。取得する場合は対処規程・情報管理規程・就業規則を整合させ、 研修を認定申請前に実施し、期限どおりに犯罪事実確認を回す体制が必要になります。 保育・教育分野を専門とする社会保険労務士が、判断の材料づくりから実務の構築までご支援します。
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